30年以上着物を着たいと思っていた私には、着物ライフに対する憧れのようなものがありました。
記憶に残っている着物を着た体験は、中学生か高校生くらいの頃のお正月。
ウールのアンサンブルでした。
(当時ウールのアンサンブルが流行っていたと、着付けの先生に伺いました。)
着物を着たいと思うようになったきっかけ
ウールのアンサンブルは写真で見た記憶しか残っていませんでした。
親が勝手に仕立てていた着物だからか、着物に興味関心もありませんでした。
後にも先にもウールの着物を着たのはそのとき一回きり・・・もったいない話です。
では、いつから着物を着たいと思ったのか・・・
結婚して子どもが生まれた後に、独身だった友達に誘われて着付け教室に行きかけました。
結局、子連れで習うことはできずに断念。
その後いつか着物を着たいと心残りになったのは覚えています。
祖母は着物が好きでした。
冬は必ず着物で過ごしていたことは幼い時の記憶の片隅に残っています。
また母も昔は入学式などには着物を着ていました。
特別な時だけなのでこちらはあまり記憶にありません。
所作がゆっくりしていながらも働き者の祖母の着物・・・
祖母のような暮らしの中の着物に憧れていたように思います。
生活の中の着物への憧れ
ところで、大手の着付け教室の中には、フォーマルな着物で着付けを習うところもあるそうです。
現代では、着物がフォーマルな位置付けになっているので当然かも知れません。
ですが、私自身の憧れは『生活の中の着物』でした。
現在では式典などフォーマルな場の着物のイメージが強いですが、生活の中の着物は長く日本人のために合理的に進化してきたはずです。
着物で掃除をして台所仕事をして、お買い物にも行き、祖母たちが普通に過ごしていた着物での暮らし。
それを再現できないことはないと考えていました。
確かに洋服になって便利に動けるメリットはあります。
けれど、それと引き換えに何かを失っているかも知れません。
そんなことも思っていました。
2018年から、生活の中の着物を再現したいと思っていた私・・・
その頃知り合った着付けの先生が、カジュアル着物を提唱する方でした。
その先生がのちに書かれたのが、
『カジュアル着物のはじめ方』です。
Amazonで購入できます
→カジュアル着物のはじめ方 ~好きなものを着る、着たいときに着る~
2018年より着付けの練習を再開
カジュアル着物の本を書かれた先生とは、2015年に別の勉強会で出会っていました。
そして再会したのが2017年の暮れの頃で、ちょうどその日に『2018年は着物を着る』と宣言していました。
以前、近所の着付けの先生に着付けを習いに通ったのが2012年でした。
その時に実家の母の箪笥の着物も一緒に整理していただきました。
それから5年も経っていましたので、着付けはほぼ忘れていました。
それでも頑張って2017年の終わりには、着付けの練習を再開できる環境を整えることができました。
着物を広げるにはある程度スペースも必要です。
狭い自宅では猫も複数いるので物理的に無理がありました。
環境が整ったら後はひたすら練習です。
最初に着付け教室に行って断念してから、30年が過ぎていました。


ひとりで着付けの練習に励む日々
5年前に習った時に書き留めてあった大切なメモを参考に練習しました。
忘れていた記憶が少しずつよみがえっていきました。
時間を作って着付けの練習をし、あやふやなところはネットやYouTubeで調べたりしました。
時代が変わっていて良かったです。
ただネットやYouTubeにはいろんな情報がありますしやり方も様々です。
なので初めて着付けをする方がネットだけで練習するのはかえって混乱するかもしれません。
着付けを覚えたければ、まずひとりの先生について、その先生のやり方で基本を習う。
これがしっかり着付けが身につくコツだと思います。
できれば個人の教室で、初心者向けの道具などを買わなくて済む教室が良いと思います。
2012年に習った先生も、再会した先生もそういった先生方でした。
そしてお二人ともカジュアルにジーンズの着物を着こなす先生方でした。
理想の着物ライフを理解してくださる先生を探しましょう
着物とのお付き合いは人それぞれだと思います。
お茶席で着物を着たい方もいらっしゃるでしょう。
晴れのお席でフォーマルな着物を着たい方もいらっしゃるでしょう。
お友達とのお出かけや観劇などで着物を着たい方もいらっしゃるでしょう。
自分がどんな着物ライフをゴールにしたいのかを決めたら、それを理解してくださる先生を探しましょう。
最短で着物ライフを始めたければ、まずは良い先生を探してその人のやり方をしっかり教えていただきましょう。
私も二人の先生方の世話になり、ようやく着物という楽しみを手に入れました。
長く楽しみたいと思う今日この頃です。

